日本ではあまり馴染みのない「シェリー酒」をご存知でしょうか?
“名前は聞いたことがあるけど実際に口にしたことはない”、という方が多いかと思いますが、香りも良く度数も高めでオススメのお酒なんですよ。
ということで今回は「シェリー酒」の魅力を徹底解説していきます!!
シェリー酒とは?
シェリー酒とはワインの一種です。
リキュールや蒸留酒に分類されがちですが、スペインのアンダルシア州が産地の酒精強化ワインなんですよ。
実は戦後伝わった洋食文化では、「食前酒にはドライシェリー、魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン」なんて言われていました。
そんなシェリー酒の特徴は主に3つ。
①世界3大酒精強化ワインのひとつ(フォーティファイドワイン)
②原料は白ぶどうのみ
③2つあるシェリー酒の名前の由来
今回はシェリー酒の特徴であるこの3つを詳しくご説明していきます!
酒精強化ワインとは?
酒精強化ワインとは“醸造過程でアルコールを添加してアルコール度数を高めたもの”を指します。
添加するアルコールは、一般的にブランデーを使用。
アルコールの添加によって通常アルコール度数が約10~14度が、15~22度前後の酒精強化ワインとなります。
シェリー酒は製法も独特。アルコール添加した酒精強化ワインをオーク樽に3/4に入れ、樽内の上部にあえて空間を開けます。
これにより、ワインの液表面にフロールという特殊な酵母の膜ができます。その結果、ワインの熟成が緩やかになり、フレッシュで香ばしい風味の独特なワインとなるのです。
このようにして出来上がった「シェリー酒」はポルトガルの「ポートワイン」、「マデイラワイン」と並んで世界3大酒精強化ワインとして世界中の人から愛されるお酒となっています。
原料の白ぶどうにもこだわりがあった!
使用が認められているのは、なんと3品種の白ブドウのみ。
①パロミノ種
ブドウ栽培面積の95%を占めている、シェリー酒に欠かせない品種です。
辛口シェリーはパロミノ種のみで生産されています。
特徴的な香りや味はあまりないですが、それがシェリー酒の独特な熟成方法に向いているんだとか。
②モスカテル種
独特な香りとフルーティーな味わいが特徴的な品種。
品質が高く、甘口のシェリー酒を造るときに使用されています。
③ペドロ ヒメネス
海の近くの畑でよく育つ品種です。
シェリーの産地では、モスカテルを造る際に使用されています。
こちらも甘いシェリー酒です。
辛口のイメージの強いシェリー酒ですが、実は甘口なものから辛口なものまでかなり幅広い味わいを楽しむことができます。
味わいによってタイプもあるので、代表的なものを少しご紹介しますね。
【辛口】
・フィノ
・アモンティリャード
【中口~甘口】
・ミディアム
・クリーム
【極甘口】
・モスカテル
・ペドロ ヒメネス
このように様々なタイプがありますが、造るメーカーによっても味わいは様々です。
ぜひ、自分のお気に入りの1本を見つけてみてくださいね!!
シェリー酒の名前の由来
「シェリー酒」という名前の由来は2つあります。
①ヘレツが訛った
1つは「ヘレツ」が訛って「シェリー」になった説。
もともとシェリー酒はスペイン南西部の町、「ヘレツ・デ・ラ・フロンテラ」で生まれたお酒です。
スペイン語の「ヘレツ(Jerez)」を英語読みにすると「ジェレツ」、これが訛って「シェリー」になったといわれています。
②ヘレツではなくヘレスだった
もうひとつは「ヘレツ」ではなく「ヘレス」だった説。
シェリー酒が大好きだったイギリス人は「セレス」の「ス」を複数形だと勘違いして「セレス」の単数形「セレー」から「シェリ-」になったと言われています。
現在では2つ目の説が有力とされています。