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2018.12.13
ウイスキー

これからのウイスキーのスタンダードになる!?話題の「NASウイスキー」を徹底解説

最近ウイスキー界の間で話題になっている「NAS」という言葉をご存知ですか?

NASは現在、世界で広く作られているウイスキーの種類の1つです。

NASとは一体何なのでしょうか。NASの魅力や特徴などを分かりやすく解説していきましょう。

NASとは何か

現在のウイスキー業界は、商品が値上がりしている傾向にあります、その原因の1つが「原酒不足」。このウイスキーの原酒不足に対して、NASが一役買っていると言われているんです。

NASについて

「NAS(non-age-statement)」とは、12年や18年などといったラベルに熟成年数の表記がないウイスキーを指し、ノンエイジウイスキー、ノン・ヴィンテージウイスキー、ナスと呼ばれています。

ブレンダーが熟成期間を気にせずに原酒を使うことができるため、ブレンダーの腕次第で理想のウイスキーを生み出しやすいなどの利点があります。

そもそも「ウイスキーの魅力は熟成年数ではない」という考え方もあり、特にアメリカンウイスキー・アイリッシュウイスキーはNASの種類が豊富なんだとか。

NASが広がっている理由

NASが広がっている背景には、上述したように世界的な「原酒不足」があります。

1980〜90年代頃はウイスキーが世界的に下火状態であったため、量産が行われていませんでした。
しかし2000年代後半に入るとウイスキーの人気が高まったため、これから生産量を増やしていこうというところで、熟成が進んでいる原酒の量が足りないという事態に陥ってしまいます。

このような時代の流れから、蒸留所は年数表示しないNASの販売に重点を切り替えて生産効率を上げているところが増えてきているんです。

これがNASが世界で広がっている主な理由。

いずれは長期熟成ものよりも、NASがスタンダードになる日が近いのではないかと言われています。10年ものでも高級ボトル扱いになってしまい、なかなか手が出せない…そんな未来も遠くないかもしれません。

NASのメリット

ヴィンテージウイスキーを飲む機会が減ってしまうかもしれないと聞くと、ウイスキー愛好家にとっては複雑な気分になってしまう方もいるのではないでしょうか?しかし、NASにも多くのメリットがあるんです!

①上質なウイスキーを製造できる!

原酒の熟成年数を気にすることがなくなったため、若く質の良い原酒を自由に使えるようになります。また、樽の材質や作り方など試行錯誤することで、熟成年数が短くてもクオリティが高い様々なNASウイスキーを生み出すことが可能となりました。

つまり、ブレンダーの腕次第で短期熟成でも美味しいウイスキーを作ることができるようになったのです!

②リーズナブルな価格でいただける

ウイスキーの製造にはどうしても時間と手間がかかってしまいます。しかし、NASは熟成年数という条件がないため短期間で美味しいウイスキーを作ることができます。

その結果、貯蔵費や人件費などのコストが抑えられるため、ヴィンテージウイスキーよりもリーズナブルな価格で購入できるようになりました。

③安定した供給

最近、ヴィンテージウイスキーは品薄や品切れ状態が続いているブランドが多くみられます。しかしNASは原料の発酵・蒸留・熟成までの期間がヴィンテージウイスキーよりも短期間で完了するため、安定して生産・供給ができます。

飲みたいときに気軽に美味しいウイスキーがいただけるんですね。

NASのデメリット

メリット尽くしのNASですが、その一方でデメリットもあります。

普段からウイスキーを嗜んでいる人はNASでは物足りないかも

長年飲み続けているウイスキー愛好家にとっては、ヴィンテージものにしか味わえない深みや香りを知っています。

そんな酒好きの方たちが熟成期間の短いNASウイスキーを飲んだら、味わいや香りの荒々しさなどが目立って物足りなさを感じてしまうかもしれません。

やはり、ヴィンテージものにしかない魅力がわかっている人にとっては、NASは少々抵抗があるものなのかもしれませんね。

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