みなさん、「ジン」というお酒をご存じでしょうか?
もちろん、お酒好きであれば聞いたことのあるお酒だとは思いますが、カクテルのベースとして使われているという印象だけで、ジンそのものを味わったことがある方は少ないのでは??
アルコール度数が40度以上と高めでありながら、複雑なボタニカルな香りをまとっており愛飲者が多いお酒でもあります。中には「ジン以外飲まない!!」という、”ジンフリーク”の方もいるのだとか......。
イギリス発祥のお酒として有名ですが、実は日本でも作られているんです!今回紹介する「和美人」もその一つ。
鹿児島で作られるクラフトジン「和美人」の魅力に迫っていきましょう!
和美人の特色
和美人は鹿児島県で生産されているジン。
製法などにこだわりを持って生産されている、いわゆる「クラフト・ジン」と呼ばれるタイプのジンです。
◆鹿児島産による9種類のボタニカル
ジンの特徴となる香りは、蒸溜中の気化したお酒をハーブの入ったボックスに通したり、ハーブをつけ込んだりすることで生産されます。この時使用される植物をボタニカルと言い、これがジンの風味を決定づけます。
この和美人で使われているボタニカルは合計10種。ジュニパーベリー、ゆず、キンカン、緑茶、レモン、辺塚だいだい、生姜、紫蘇、月桃、けせん(ニッケイ)が使われています。
これらは同じ鹿児島県内で生産された物。地元の生産物使用して、和美人は作り出されているのです。
◆薩摩絵付師・室田志保氏によるラベル
和美人のラベルには、円の中に浮世絵師や浮世絵風の女性や扇子などが描かれています。
ラベルのデザインをした室田志保氏は、普段薩摩ボタンの製作をしている方。薩摩ボタンというのは、薩摩焼での技法を流用して作られたボタンのこと。その技法を活かしながら、ラベルのデザインがなされているのです。
このように和美人は原料だけでなく、ラベルデザインにまで鹿児島にゆかりのある物を使った、地元へのこだわりが強く感じられるお酒なんです。
和美人を作るマルス津貫蒸溜所
和美人を生産しているのは、「本坊株式会社」。鹿児島県南さつま市にある「津貫」のマルス津貫蒸溜所にて、和美人の醸造が行われています。
◆本坊酒造株式会社について
本坊酒造は1872年に創業された酒造メーカー。元々は焼酎をメインに生産していました。
近年では焼酎の蒸溜技術を活かし、ウィスキーやスピリッツなどの製造も行うようになり、現在では従業員200名、九州では最も製造している酒類の多いメーカーとなっています。
規模の大きい会社だけに、蒸溜所を2つ所有しているのが特徴。1つがウィスキー「信州」などを生産しているマルス信州蒸溜所、そしてもう1つが「和美人」などを生産しているマルス津貫蒸溜所です。
◆マルス津貫蒸溜所
この蒸留所は薩摩半島西部に位置しており、本土最南端のウイスキー蒸溜所と言われています。周囲が山に囲まれているため夏は暑く、冬は寒いという人間にとっては過ごしにくい地域ではありますが、その厳しい環境がウイスキーやジン造りに適しているのだとか。
また周囲が山であることからもわかるように、水も良質で仕込み水にピッタリ。まさに、酒造りに適した恵まれた環境の蒸留所なんですね!