多くの人を虜にする「ウイスキー」。
ロックやストレート、ハイボールなどさまざまな飲み方で楽しめるのも一つの魅力ですよね。
実は、ウイスキーって産地によって味に傾向があるんです!
生産地の中でも特にスコットランドは、ウイスキーの名産地として知られています。
そこで今回は、スコットランドの中で最も代表的な「スペイサイド」のウイスキーについて徹底解説します!
スペイサイドとは?
スペイサイドには、「マッカラン」や「グレンリベット」など多くの有名な銘柄を展開している蒸留所があります。
まずはそんなスペイサイドについて紹介します。
ウイスキー製造に適した地域
スコットランドはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の一つ。
国土は日本よりも狭いながら、とても自然が多いのも特徴的な国です。
そんなスコットランドの一部「スペイサイド」は、スコットランドの代表的なウイスキー蒸留所が集まる地域。
スコットランド北部のハイランド地方にある小さな街で、スペイ川が流れるのどかな街です。
そんな静かな街には多くの蒸留所がひしめき合い、その数なんと54か所!
さらにどの蒸留所も世界的に有名なブランドばかり!よって、ウイスキー好きがこぞって観光に訪れる地域でもあるのです。
スペイサイドに蒸留所が集まるワケ
スペイサイドでは多くのウイスキーが製造されていますが、そもそもなぜスペイサイドにはこれだけのウイスキー蒸留所があるのでしょうか?
その秘密は、かつてのスコッチウイスキーが密造されていたという事実に突き当たります。
発展のきっかけは密造だった!
1700年代にイングランド王国とスコットランド王国が統合しましたが、財政難に苦しんでいたイングランドはスコッチウイスキーに目をつけ、なんと15倍もの大増税を決行。
それに反発したスコットランド生産者は、比較的政府の目が届きにくい、スコットランド北部のハイランド地方で密造をはじめました。
ハイランド地方は政府から見つかりにくいだけでなく、きれいな水が湧いていたこともウイスキー作りにとって有利でした。
さらに密造酒を隠すため、木樽に入れてお酒を保管したことで、現在のウイスキーの色や製造方法が確立されます。
それまでのウイスキーは無色透明が当たり前でしたが、木樽に入れたことによって今のウイスキー同様に琥珀色のカラーリングに変化することを発見したのです。
こんな偶然が重なって、スペイサイドモルトウイスキーは瞬く間に評判となり、やがて表立ってウイスキーの生産をはじめました。
スペイサイドと他のウイスキーとの違いは?
では、スペイサイドモルトウイスキーと他のウイスキーとの違いはどこにあるのでしょうか?
スペイサイドモルトウイスキーの共通している点は、フルーティーな香りです。
一般的にはエステル香とも呼ばれており、青々しい若草のような香りのものが多く華やか。
香りは味そのものにも現れており、甘いウイスキーが多いです。
高級なウイスキーほど癖が強く飲みにくさを感じてしまう方も多いのですが、スペイサイドモルトウイスキーはとても飲みやすいのでウイスキー初心者の方にもおすすめ。
北に行けばよりスモーキーで個性的な味わいに、東に行くと甘さが増す傾向があり、地域によって個性が若干異なる点があります。お気に入りの一本を見つけるのも楽しそうですね。