リキュールを楽しむ場合、その殆どがテキーラをベースとしたカクテルです。もちろん、ショットやストレート、ロックなど、割材を使わずに飲まれることもありますが、基本的には蒸留酒ですのでアルコール度数が高く、さまざまなカクテルなどに使用されることが多いようです。
そんなリキュールのなかでも、かなりアルコール度数が高いということで知られているのが、「テキーラ」です。
とはいえ、テキーラのアルコール度数といわれてもピンと来ない方も多いでしょう。今回、ここではテキーラのアルコール度数やなぜアルコール度数が高いのかを解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
テキーラのアルコール度数は決まっている
「テキーラをショットで…」と、いっている人を見ると、「この人はお酒が強いんだろうなぁ」と、誰もが思うはずです。映画や漫画、テレビドラマなどでは、小さなグラスにテキーラを入れたものを一気飲みしてはくだを巻いて話しているキャラクターが登場しますが、それだけアルコールが高いのだろうと、ある意味で「恐ろしいお酒」というイメージがついてしまっているようです。
しかし、テキーラのアルコール度数は、35%~55%の間と法律で定められているのです。ワインなどと同様に、原産地呼称としてつくらているお酒なため、アルコール度数を60度や70度でつくることは違法となります。
さらに、殆どのテキーラはアルコール度数が40度程度であり、ウイスキーやラム酒、焼酎の原酒などとさほど変わりません。
テキーラをショットで思い切り飲んで楽しんでる映像やシーンを多く見ていることから、非常にアルコール度数の高い危険なお酒というイメージがありますが、焼酎の原酒も同様の飲み方をすれば同じように酔っぱらうのです。
テキーラのアルコール度数の決め方
冒頭でお伝えした通り、テキーラは蒸留酒ですので、一旦醸造酒となるお酒がつくられます。サボテンというイメージが強いのですが、テキーラの原料はリュウゼツラン(龍舌蘭)という植物です。英語では、ブルーアガベと呼ばれており、パイナップルの頭部分のようなカタチをしたとてもユニークな植物です。
そして、このアガベを乾燥させて、粉砕して醪となるアガベの汁を搾り出します。ワインのように、ブドウを破砕する工程に似ていますが、その醪を3日間ほど発酵させ7%程度のアルコール度数となったら、蒸留を行います。蒸留は、単式蒸留という方法が用いられており、この蒸留を2回行います。
1度目だけではまだ雑味などが残っているため、不要なテキーラの原酒は捨てられ、再度蒸留が行われます。二回蒸留を行うと、原酒のアルコール度数は既に50%ほどになっているので、これを薄めたり、そのままで出しているわけです。
アルコール度数より味わいに個性を楽しむ
原酒のアルコール度数が60%になった場合、加水して55%ギリギリのアルコール度数で出すメーカーもあれば、35%にまでアルコールを薄めるようなメーカーもあります。
ショットで飲めばどれでも味わいは一緒だと思われがちですが、醸造中に使用されている酵母の種類であったり、蒸留後に熟成させられている樽の種類などによって、香りや味わいが全く変わってきます。
さらに、レポサド、アネホ、エクストラ・アネホといったように、熟成期間の長さによってその名称が変わるのもテキーラのおもしろいところです。なかなかテキーラを飲み比べする機会が無いという方も多いでしょうが、実はさまざまなメーカーのテキーラを探してみると、こだわりの製造法でそれぞれに強烈な個性を持ったテキーラが見つかります。
テキーラのアルコール度数は低いわけではありませんが、高過ぎるから危険というイメージとは違っています。ぜひ、テキーラの真実を知って、生産者こだわりの1杯を楽しんでみてください。