スコッチの中において、比較的しっかりしたクセがあるアイラ島のウイスキー。
アイラ島最古の蒸溜所で作られる「ボウモア」は、「アイラモルトの女王」として人々から愛されるウイスキーです。
今回はアイラの有名ブランドであり、一番伝統的な「ボウモア」をご紹介します。
ボウモアとは?
「ボウモア」の特性は、スモーキーさとビートの香り。そして、味わいの奥に感じ取れるゴージャスな甘さにあります。
クセが強く、鼻が慣れれば芳醇な甘さを体験できます。この甘さは「アイラモルトの女王」と評価されているほど。
・ボウモアの蒸溜所
1779年に商人のデビットシンプソンが創業した、アイラ島の中で最も古い蒸溜所。
ゲール語で「大きな岩礁」を示す通り、蒸留所はコンパクトな港の脇に建っています。強風が吹く日には波しぶきが直にぶつかる程の場所にあって、敷地内では絶えず潮の香りが広がっています。
1994年になるまではモリソンボウモア社が蒸留所を保有していましたが、サントリーが買い上げました。よって、サントリーが持つ山崎や白州蒸留所においても、ボウモアの長期熟成系を味わうことができます。
ちなみに、製造工程などは企業にまかせているところが一般的ですが、「ボウモア」は自家製の麦芽にこだわりがあり、約4割の麦芽を「フロアモルティング」と言われている昔からの製造方法によって作っています。
・アイラモルトの女王となるきっかけ
優美に感じられる甘い香りが人を惹きつける「アイラモルトの女王」の名前の由来は、イギリスのエリザベス女王と関係があります。
1980年、エリザベス2世がボウモア蒸留所を訪れた時に記念として新たなウイスキーが樽詰めされて、女王戴冠50周年を記念する2002年に、このウイスキーが開放されました。
「Bowmore The Queen’s Cask」と称された素晴らしいウイスキーは数百本のボトルに入れられ、そのほとんどが王室に献上されたそう。
残りの数本のうち、1本が蒸留所へ、1本がモリソン・ボウモア社のラボ、最後の1本はチャリティーを対象とした競売に出されました。