伴野貴之のマイお気に入り記録


このサイトは管理人である伴野貴之が自分の好きな酒に関する記録を残しています。お気に入りサイトや楽天などでの購入商品レビューなどを掲載します。

2018.12.7
日本酒

日常に溶け込む名脇役!?長野が生んだ銘酒「水尾」の魅力を徹底解説

奥信濃の地酒「水尾(みずお)をご存知でしょうか?

水尾は長野の北部、奥信濃 飯山 の旧町内の豪雪地帯で、実直に酒造りをする田中屋酒造店の醸す「当たり前に良い酒」です。

また、田中屋酒造店は一度滅びかけた長野の酒米「金紋錦」の復活にも一役買った酒蔵。

そんな大自然に囲まれた土地で、地元の美味しい水と美味しい米で作られた「水尾」の魅力を詳しくご紹介していきます。

田中屋酒造店とは

長野県の北部、新潟県と隣接する奥信濃 飯山で、廃藩が行われた翌々年の明治6年、田中貢一氏によって創業した酒蔵。この一帯は、冬に沢山の雪が降る豪雪地帯でありながら米作りが盛んな地域。野沢温泉村・栄村・木島平村・飯山市は、県内有数の米の産地として知られています。

また、米と天然水に恵まれ冬は寒冷地という、酒造りには好条件な場所でもあるのです。

良い水を使い、良い米を使い、そして基本に忠実な良い造りをする。こうしてできたあたりまえに良い酒を、お客様にあたりまえに楽しんで頂きたい(公式HPより)

上記は、HPに書かれてある一句。小細工はせず実直に旨い酒を造る酒蔵ということがわかりますね。

先代の主力銘柄は「金瓢養老」でしたが、現社長(田中隆太氏)が蔵に入ってから立ち上げたのが今回紹介する「水尾」です。第83回関東信越国税局酒類鑑評会で最優秀賞に輝きました。

水尾は脇役を目指す

世の中には、様々な日本酒がありますが、水尾は「脇役」の日本酒を目指しているのだそう。

様々な役割がある中で「なぜ脇役??」と思うかもしれませんが、確固たる思いがあるのです。

水尾は「水の如し」酒、料理の旨味を引き出しながら何杯でもすいすいと飲める、飲み飽きないお酒。また、派手ではない中で、いかに上質なものを追求できるかが勝負だと考えているのだそう。

華やかで一杯で満足してしまうお酒でなく、すっとのめて日常に寄り添う、まさに名脇役なお酒なんですね!

水へのこだわり

水尾の仕込み水は、全量 野沢温泉村「水尾山」のふもとより湧き出る天然水を使っているそう

元々使っていた井戸水の水質が硬く、地域一帯の水を研究した結果、20㎞離れた水尾山の水を探し当てたんですって!

「水尾」の名前の由来でもある「水尾」という名には、水の源という意味があると言います。その名の通り、豊富に湧き出る水は飲んで甘さと透明感を感じるまさに銘水です。香り・味ともに良質で、後切れの良い「水尾」の味わいを演出しています。

米へのこだわり

原料米は、長野県産の酒造好適米を基本的に100%使用。しかもそのうちの70%が、蔵から5km圏内で栽培されている契約米を使っているのだそう。地域ならではの地酒ということで、水と同様、地元のお米を使うことを大切にしているんですって!

長野県の開発品種である「ひとごこち」「しらかば錦」はもちろん、大吟醸等上位酒には全国的にも希少品種である地元木島平村産の「金紋錦」を使用しています。

金紋錦とは?

冒頭でも記載したように、「金紋錦」は一度滅びかけた酒米なんです。

元々は、長野県北部の「木島平村」にて40年以上栽培されている酒米でしたが、コシヒカリの人気や新品種の開発などにより、1980年代後半に金紋錦の作付けが大きく落ち込みました。その後、老舗酒蔵の「福光屋」(石川県金沢市)が一手に支えることで、どうにか生産が途絶えずに作られ続けたのだそう。

その味わいは、山田錦の香りよく味わい深い特徴を持ちながらも、旨味が強く田舎臭い味わいと言われています。

そんな、「金紋錦」の魅力に、いちはやく気づいた酒蔵が田中屋酒造。なんと、田中屋酒造の10種類ある商品のうち、実に半数の5種類が金紋錦を100%つかったお酒なんです。

現在では、地元の酒蔵がその良さに気づき、少しずつ酒造りに取り入れる酒蔵が増えて来たのだそう。まさに、「金紋錦」にとっての救世主的存在だったというわけです。

-->