香川県と聞くと、恐らく浮かんでくるのは「讃岐うどん」ですよね。
香川県は瀬戸内海や讃岐山脈に面した土地で、おいしい海の幸・山の幸が豊富です。そんな地では、様々な料理に合う日本酒もまた絶品。
良質な米と水による讃岐の日本酒を飲めば、さらなる香川の魅力に気が付くはずです。今回は香川のお酒、「川鶴」についてご紹介します!
川鶴ってどんなお酒?
讃岐の観音寺の地で造られる日本酒、「川鶴」。
お米の味わいを余さず詰め込んだような、旨みが心地よく広がるような味わいが「川鶴」のお酒の共通点です。
純米酒やお燗酒など食中酒としてのお酒は、料地元で収穫される魚介類や山菜などの料理とマッチするよう、出すぎず引きすぎず、料理とのバランスが重視されています。吟醸系などは食後にホッとできるよう、一日の疲れを癒し、明日への活力がみなぎるような、軽快で爽やかな味わいです。では、この味わいの秘訣は何でしょうか。
川鶴を作る川鶴酒造は、「酒造りは米作り。酒を造る者が、米を作る苦労を知ったうえで酒造りに取り組む。」として、米作りへの取り組みに積極的。使用する原料米は自家栽培米をはじめ、地元香川県産のお米が大半を占めています。讃岐産の「オオセト米」、契約栽培の「山田錦」、岡山県での契約栽培「雄町」、生粋の讃岐の酒米「さぬきよいまい」を中心に使用し、それぞれ個性的な味を引き出しています。
仕込み水は、蔵の裏を流れる清らかで豊かな清流・財田川の伏流水を使用しています。この川に鶴が舞い降りたことから、初代蔵元によって「川鶴」と命名されました。この川は別名・宝田川とも呼ばれ、田に宝をもたらす水源とされています。
香川独自の酒米「さぬきよいまい」って?
川鶴にも使われているちょっと気になるお米、「さぬきよいまい」とはどういったお米なのかご紹介します。
1990年、香川独自の酒米を作ろうとするプロジェクトが始まりました。香川大農学部や農業協同組合など多くの機関の連携の結果、「オオセト」と「山田錦」の交配により、新たな酒米が完成しました。それが「さぬきよいまい」です。およそ20年にわたる研究の結果生まれた酒米は今、讃岐のお酒を作りだしています。
雑味のないさわやかな飲み口でありながらジューシーな旨みを醸し出している、川鶴酒造の「さぬきよいまい 純米生原酒」は、さぬきよい米を使用した待望の地酒です。見かけたらぜひ、この香川の酒米で作ったお酒を味わってみてください。
川鶴酒造ってどんな蔵?
「川の流れの如く、素直な気持ちで呑み手に感動を」
初代より受け継がれたこの酒造りの精神を守り、蔵人全員が本気で取り組む真の酒造り集団を目指している川鶴酒造。
徳島県池田町で染物業を営んでいた川人清造氏によって、明治24年(1891)に現在の観音寺の地で創業しました。
現社長社長である川人裕一郎氏は、東京農業大学醸造学科を卒業後、アサヒビールを経て国税庁醸造研究所(現・独立行政法人酒類総合研究所)で学び、1996年のとき帰郷しました。
社長を継ぐ直前、従来の広島杜氏が高齢のため引退し、但馬杜氏の寺谷保氏が川鶴酒造に来ることになります。日本酒の味は、経営者の意向を受けた杜氏の技術と統率力で決まりますが、杜氏が変わっても旨口の基本は変えずに、すっきりしたキレのある口当たりに変えていきました。
川鶴の味わいは、おいしい米と水からだけでなく、社長や杜氏による本気の酒造りによるものなのですね。