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2018.8.6
ワイン

【ソムリエコラム】ワインから不快な臭いがする!?「ブショネ」「還元臭」ってなに?

グラスに注がれたワインをひと思いに飲んでしまうのも、それはそれで美味しい味わい方かもしれません。ただ、せっかくワインを飲むなら、口をつける前に香りを嗅いでみましょう。

ワインは、香りも楽しめるお酒であり、香りはワインの風味を決定づける重要な要素になっているのです。

ワインを飲みながら、「これは洋なしのような香りがするね。」「それに、ほのかにバニラのような香りも感じられるよ。」など、香りについての会話を弾ませるのは、ワインの粋な楽しみ方です。

しかし、数あるワインの中には、稀に不快な臭いがするものがあります。その代表的な例が、これから解説する「ブショネ」と「還元臭」です。

 

「ブショネ」や「還元臭」とはどのような臭いか?

ブショネ

ワインの不快臭として典型的な例が「ブショネ」です。この臭いは”コルク臭”とも呼ばれ、カビや湿った雑巾、薬品のような強烈な臭いがします。もしもブショネのワインにあたったら......それはとても飲めたものではないでしょう。

ブショネのワインの主な発生原因は、天然素材のコルクを洗浄する際に使用される塩素系消毒剤と、そこに付着していたバクテリアが化学変化を起こし、トリクロロアニソルという化合物が発生することだと考えられています。

なお、ブショネのワインは、天然コルクのワインの2〜3%の割合で発生してしまうという統計が出ているそうです。そのため、近年はコルクではなくスクリューキャップを使用するワイナリーも増えてきています。

還元臭

もうひとつの不快な臭いの代表例として挙げられるのが、「還元臭」です。これは、ワインを醸造する過程で酸素が不足したために発生する、硫化水素という物質に由来する臭いです。

例えるなら、硫黄や腐った卵のような臭いがします。温泉などでも、こういった香りに遭遇した経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

還元臭は、ナチュラルワインやビオワインといった無農薬・有機栽培の酸化防止剤を入れないで作られたワインから発生することもあるため「ビオ臭」と呼ばれることもあります。

「ブショネ」や「還元臭」のあるワインに遭遇したらどうすれば良い?

それでは、せっかく購入したワインから、ブショネや還元臭のような不快な臭いが漂ってきたら、どのように対処したらよいのでしょうか?

デキャンタージュすることで解決する可能性も

もし、その臭いの正体が還元臭であれば、少し空気にさらすことで解消する可能性があります。そのため、デキャンタージュをすることも効果的です。還元臭があったからといって、そのワインが特に身体に害を及ぼすわけではありませんので、空気に触れさせた後で味見をしてみると、意外にも解決しているかもしれませんよ。

ブショネの場合は......

一方、ブショネのワインにあたってしまった場合、対処法は少し異なります。もし、それが購入したワインであれば、購入したお店に連絡した上で、そのワインに栓をして、お店に持参または送付しましょう。

大事なことは、そのワインを捨てないことです。お店の人に現物をブショネだと確認してもらうことができたら、返品もしくは交換などに応じてもらえるでしょう。

また、レストランで注文したワインがブショネだった場合は、ソムリエさんか店員さんに確認してもらいましょう。同じ銘柄の別のワインと、交換してもらえるはずです。

ちょっとくらいの臭いはワインの個性!


先ほど説明したように、天然コルクのワインは2〜3%の割合でブショネのものが発生すると言われています。よくワインを飲まれる方であれば、何度かブショネに遭遇したことがあるのではないでしょうか。

少しでもワインの香りに違和感を感じたら、「これはブショネだ」と言われる方もいらっしゃいます。かつて私が勤めていた百貨店のワイン売り場でも、「このワインはブショネではないか?」といった問い合わせが数多くありました。

中には本物のブショネもありましたが、そのブショネだと思われたワインの多くは、ワインが持つ本来の香りがしただけに過ぎなかったのです。

つまり、ワインの個性が少し強すぎたのか、その方が普段飲まれているワインとはまったく異種のものであっために、ブショネだと感じられてしまったというわけです。

このように、多少の臭いというのはワインの個性。全てをブショネや還元臭とひとくくりにしないで、「こんなワインもあるよね。」と、ワインの個性を楽しむ寛容な心で味わっていただければと思います。

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