みなさんこんにちは。
突然ですが、みなさんはお酒が凍る温度をご存知ですか??
小学校で習う水と同じ液体ですが、アルコールの有無、また度数によっても凍る温度が変わってきます。
今回は思わず「へぇ!」とボタンを押してしまいたくなるような豆知識をご紹介しますよ。
また、暑い時期にぴったりな「フローズンビールの作り方」も伝授します!!
お酒は何度で凍るの?
本来アルコールとはOH基を持つ有機物の総称を指していますが、アルコールとして一般的に言われているのは「エタノール」です。
水が凍る温度(これを「凝固点」と言います)は0℃ですが、エタノールはなんと「-114.5℃」!!
人類が住む中で1番寒い村とされているロシアのオイミャコンでも過去最低気温は-71.2℃、エタノールは凍りません。
(ちなみに釣った魚や洗濯物はすぐに凍ってしまうそうです…)
結論から言うとお酒は水よりも凝固点が低いです。
しかし水のように「0℃で凍る」ということではなく、「エタノールの含まれる量」、つまり「アルコール度数」によって凍る温度が変わります。
少し理科の内容を復習していると、「凍結」という現象が起きる原理は“水分子同士が結合してくっ付くこと”です。
エタノール中に含まれているアルコール分子は、水分子と結合しやすいという性質を持っているため水分子同士の結合がされにくくなり、その結果エタノールが含まれるアルコール飲料は水よりも凝固点が下がるという結果になるのです。
つまり、アルコール度数が上がれば上がるほど凝固点は下がる(凍りにくくなる)ということですね。
アルコール度数と凍結温度の関係は、15度で約-7℃、20度で-11℃、40度で-31℃、60度で-44.5℃、80度で-67℃と言われています。
ビールのアルコール度数は4~6度、ワインは10~14度、日本酒は12~18度、焼酎は25~45度、ウィスキーは35~55度、ウォッカは40度以上なので、凍結温度との関係と比べてみるとだいたい何度くらいで凍るのかわかってきますね。
ちなみに家庭用冷蔵庫の冷凍庫の温度は約-18℃とされているので、ビールや日本酒は家庭で凍らせることができますよ。
アルコールの使われ方
低い温度でも凍結しにくいアルコールは様々な場面で使われています。
例えば食品工場や貯蔵タンクなどの冷却施設の冷媒として使われていたり、太陽光パネルやスプリンクラーなど屋外で使う機械の凍結防止剤・防腐剤としても利用されています。
特に注目を集めているのが食品の急速凍結機。
水分が凍結する-5℃~-1℃の間を素早く通過することで、歯ざわりや食感を損なわずに冷凍保存できるシステムです。
アルコール溶液を用いた液体凍結機は食品の細胞を壊さずに冷凍でき、肉や魚などの生鮮食品を扱う分野で重宝されています。