いきなりですが、みなさんはビールがどんな風に造られているかご存知ですか??
ビールだけでなく、お酒は様々な工程を経て、私たちの元に届いています。
そんな様々な工程、お酒が好きなら知りたくないですか??
お酒の造られるストーリーが少し分かるだけで、もっと美味しくお酒が飲めるようになりますよ!!
ということで今回はビールの「糖化」について学んでいきましょう!!
糖化ってなに?
ビール造りの工程はざっくりと
①製麦
②仕込み
③発酵・貯酒
④ろ過
⑤パッケージング
に分けることができます。
今回ご紹介する「糖化」は②仕込みの工程で行われています。
糖化について
糖化というのは一言で説明すると「でんぷんを糖に変えること」。
この糖化の作業ではビールの素となる「麦汁」を作ります。
なぜ麦汁を作るのかというと、原料となる麦には糖質が含まれていないので、そのままでは酵母菌がアルコールを作ることができないからです。
ちょっとわかりにくいですね。
もう少し詳しくご説明しましょう。
糖化の流れ
ワインなどはもともと原料のブドウに糖質が含まれているため、そのまま酵母菌がその糖質をエサとしてアルコールを生成することができます。
しかし、先ほども少しお話ししたようにビールの原料である大麦には糖質が含まれていないため、酵母菌のエサが無い状態、つまりアルコールを生成できないんです。
ここで必要になってくるのが「糖化」という作業。
精麦して出来上がった麦芽を砕き、お湯と合わせ、温度を調整します。
すると、麦芽の中にある「アミラーゼ」という酵素が活性化。
活性化されたアミラーゼによって、麦芽の中にたくさん含まれているでんぷんを麦芽糖やデキストリン、ブドウ糖といった糖質に分解します。
この一連の流れこそが「糖化」なんです。
「糖化」を行うことで、酵母菌のエサを生み出し、発酵の工程へ進むことができるようになります。
ビールを作る過程でかなり重要な工程ですよね。
“糖化をしなければビールは作ることができません”。
さらにこの糖化によって生み出された糖質の量によってアルコール度数も変わってくるんですよ!!
2つの糖化方法を知ろう!
糖化には2つの方法があります。
それぞれの方法や特徴をご説明しますね!!
①デコクション糖化法
デコクション糖化法はドイツで開発された方法で、日本でもドイツのビアスタイルのビールを造る時によく用いられます。
たんぱく分解を行ったあとに麦汁の一部を沸騰させ、元の麦汁に戻すことで、全体の麦汁の温度を上げる方法です。
元の麦汁の戻す回数によっても味が変わります。
デコレクション糖化法は、糖化を行う糖化槽という設備に加温機能をつける必要がないのでコストは削減できますが、麦汁を釜に移してもとに戻すという作業は手間がかかります。
また、この糖化方法を使うと「コク」、つまり味の深さやまろやかさが生まれるそうですよ。
②インフュージョン糖化法
インフュージョン糖化法は、加温機能を持つ糖化槽で加熱して糖化を行う方法。
イギリスで開発された方法で、現在ではアメリカなどでも多く採用されています。
こちらは麦汁の移動をせずに糖化を行うことができるので、手間はかかりません。
インフュージョン糖化法はキレのある味わいのビールを作ることができます。
糖化がビアスタイルを決めている!!
どちらの方法にも言えることですが、糖化で重要になってくるものが「温度」。
あまり詳しく説明するとかなり専門的なお話になってしまうので今回はわかりやすく簡単にご説明します。
糖化で温度を一定に保ったり温度を上げたりするのは、目的とする酵素を働かせたり、逆にその働きを止めるためです。
このとき、糖化をより進めると発酵度がより高いドライ系のビールに、糖化を抑えると発酵度の低いコク深いビールを作ることができます。
糖化をどのように進めていくのかを決めているのが温度。
つまり、この温度によってビールの味が大きく変わっていきます。
“糖化はビールのタイプやスタイルを決める”重要な工程だということがわかりますね!