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大学でも日本酒が造られているのです。酒米の育種・栽培だとか酵母の開発だとか、大学で研究・開発されているなんてなんだかスゴそうですよね。そんな大学ブランドの日本酒をご紹介いたします。
ポプラ並木(北海道大学)
出典:北海道大学生協
北海道大学と札幌市の酒蔵・日本清酒のコラボレーションにより生まれた銘柄。北大研究林に湧出する清水と北大構内にある農場で栽培された米「きらら397」も使用し、さわやかな香りとふくらみのある軽快旨口の日本酒です。印象的なボトルのデザインやお酒を注ぐときに聞こえるきれいな音色は、お酒の美味しさを引き立ててくれているようです。
弘前大学(弘前大学)
出典:弘前大学生協
農場のお米を使用して、醸造しているのは地元の酒蔵・三浦酒造です。こちらは、社長であるお父さんの指揮の下、30代の若い兄弟杜氏が造りだしている家族中心の蔵で、代表酒<豊盃>は発売から1ヶ月で蔵元完売になる人気酒です。JALのファーストクラスで採用されたことでも有名なのだそう。そんな蔵で醸された「弘前大学」はリピーターも多く、愛されている逸品です。
燦樹(山形大学)
出典:山形大学生協
大学の農場で栽培した酒造好適米「出羽燦々」を100%使用し、地元庄内の酒蔵・鯉川酒造にて醸造したお酒です。ネーミングから飲みやすいフルーティなものを想像してしまいますが、実は辛口でスパッとキレが良いという酒蔵・鯉川酒造のカラーが反映されたお酒に仕上がっています。
萩丸(東北大学)
出典:東北大学生協
東北大学創立100周年を記念して、酒米の育種から栽培、醸造管理、蔵元、ネーミング、販売まで、一貫して東北大学関係者が携わって製造されたもので、製造を委託されている蔵元・一の蔵のオーナーももちろん東北大学をご卒業された方なのだそう。宮城県酒造好適米「蔵の華」を原料米としたふくよかな味わいと米の旨味が感じられる特別純米酒です。
鳳翔閣(埼玉大学)
出典:埼玉大学生協
『鳳翔閣』とは、明治11年に建てられた師範学校の名前なのだとか。バルコニーが印象的な白い洋館と埼玉サッカー発祥の地でもある師範学校は、当時周囲の目を惹くハイカラな学校だったに違いありません。その学校名を冠した日本酒『鳳翔閣』は、大学の技術を元に、県の農業協同組合、酒造組合や地域蔵元のご協力を得て醸された、埼玉大学ブランドのお酒なのです。
華甲(新潟大学)
出典:新潟大学生協
国内有数のお米の産地・新潟ですから、かつては水稲コシヒカリを学内教職員向けに販売していたのだそう。それがやがて大学オリジナル加工製品の開発となり、農学部の事業と連携している大学近隣に所在する塩川酒造(株)の醸造にて、新潟大学オリジナルのお酒、大吟醸酒「華甲」が誕生しました。ブランド名「華甲」は還暦と同じく数えで61歳のことで、創立60周年にちなんで公募で選ばれたのだそうです。
静大育ち(静岡大学)
出典:静岡大学生協
農学部の農場で栽培された酒米「山田錦」と「静岡酵母」で作られた純米大吟醸「静大育ち」。予約開始から10日ほどで完売となる人気ぶりなのだとか。醸造は地元の(株)大村屋酒造場で行っています。酵母は農学部のOB河村傳兵衛(でんべえ)さんが開発した「静岡酵母」が使われています。
なごみ桜(名古屋大学)
出典:名古屋大学
附属農場で栽培した酒米と学部内八重桜由来の酵母「名大花酵母」を使ったお酒です。卒業生が所属するあいち産業科学技術総合センターと盛田株式会社の技術・製造協力、名古屋大学消費生活協同組合の販売協力、在校生の労働協力などにより、平成21年度から醸造されています。
弓型穂(三重大学)
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三重大学において、三重県原産の酒米「伊勢錦」を品種改良して育成した新品種「弓形穂」を原料として使用しています。地元の酒蔵「寒紅梅酒造」、津市商工観光部、大学が連携して地域産業の活性化に向けた取り組み「蔵人体験」で学生さんたちが製造、ラベル作り、販売を手がけた手作りの地酒です。
長州学舎(山口大学)
出典:山口大学
農学部附属農場で栽培された山口県の酒米「西都の雫」を原料として、萩市にある岩崎酒造(株)に醸造を依頼して誕生した山口大学ブランドの日本酒です。さわやかな香りで淡麗辛口、すっきりとした味わいとなっています。
おお岡大(岡山大学)
出典:岡山大学生協
学内で栽培したアケボノを100%原料とし、酵母は吟醸香豊かな協会1801号と味わい豊かな協会1401号をブレンドして使用した、岡山大学ブランドの日本酒。華やかな香りとまろやかな味わいが特徴です。また、ラベルには岡山大学学生歌をプリントしているのも大学ブランドならではですね。
媛の酒(愛媛大学)
出典:島田酒造
農学部附属農場で作られた、完全無農薬の安心米・松山三井を100%使用し、学生が稲刈り、仕込み、搾り、瓶詰め、デザインなどを手伝い、愛媛県東温市の「島田酒造」で製造されています。火入れをせず冷酒で楽しめる純米酒「生酒」も期間限定にて発売しています。
さぬきよいまい(香川大学)
出典:香川大学生協
香川独自の酒米を造ろうと、1990年から香川大学農学部で育種を始め「オオセト」と「山田錦」のめぐり合わせにより誕生した「さぬきよいまい」。当時の県知事より命名されたのだとか。その「さぬきよいまい」を原料とした香川大学ブランドのお酒が、川鶴酒造「さぬきよいまい槽屋ふなや」なのです。
九州大吟醸(九州大学)
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「九州大吟醸」は、地元・浜地酒造で糸島産山田錦を40%まで精米して吟醸造りした大吟醸です。原料の一部には農学部附属農場の酒米も使用されているそう。優しいのど越しと果実を思わせる甘い香りが特徴の「薫酒」と芳醇で切れの良い酒質にこだわり醸造された「醇酒」があります。
悠々知酔(佐賀大学)
「悠々知酔」というネーミングは、悠々と酒を飲みながら知の探究に酔い、桃源郷のような雲の上でゆっくりとのんびり飲む姿をイメージしているのだそう。農学部で収穫した「ヒノヒカリ」と同じく農学部で生成した「清酒酵母」を使用し、地元の酒造メーカーと連携して製造した佐賀大学オリジナルの清酒です。
いかがでしたか。大学生がお米作りや酵母から関わっているこだわりの日本酒。日々の研究の成果を賞味してみたくなりますね。通販で入手できるものもありますのでぜひ試してみてくださいね。