「お店で飲むビールはどうしてこんなにおいしいんだろう…」
ビール好きの方であれば感じるであろう当たり前の感覚ですよね!
もちろん、お店という自宅では味わうことのできない“特別な空気感”によるものでもありますが、なによりあの“クリーミーで口当たりの良い泡”が最大の特徴ではないでしょうか。
そこで!
今回はみなさんにもっと美味しくビールを楽しんでもらうために自宅で簡単にキレイな泡を作ることができる「秘技・三度注ぎ」を伝授しちゃいます!
こんなにすごい!ビールの泡の効果
ビールの泡には様々な効果があります。
今回は代表的なものをいくつかご紹介します!
①シズル感
モコモコしたキメの細かいビールの写真を見るだけで、「あぁ美味しそう!!飲みたい!!」という気分になりますよね。
ビールの泡には私たちの五感を刺激して美味しそうと思わせる「シズル感」を生み出す効果があります。
②酸化防止
ビールに酸素は大敵。
ビールの成分と酸素が反応し、「酸化」を進めてしまうのです。
酸化をしてしまったビールは、「酸化臭」という味を損ねるイヤな臭い(オフフレーバー)を発したり、エグ味を感じるようになってしまいます。
さらにビールが褐色化したり、濁ってしまったりと味わいだけでなく見た目にも大きな影響を及ぼします。
泡でビールの表面に「蓋」をすることで、ビールが空気に触れにくくなり酸化を防止することができるのです。
さらに蓋をすることで、ビールの炭酸が抜けにくくなります。
③苦味を抑える
ビールの泡はホップの苦味成分が麦のタンパク質と結びつくことで作られます。
そのためビールの苦味は泡に集まるのです。
ビールの泡が苦く感じるのも、泡に苦味物質を多く含んでいるから。
つまり泡を立てることでビールの苦味が泡に溶け、ビールそのものの苦味を抑えることができるのです。
三度注ぎはなぜおいしいの?
三度注ぎを最初に提唱したのは、チェコのブドバー社だと言われています。
「3回に分けてビールを注ぐと炭酸ガスが低減し、苦味の質が良好になり、香味が変化する」という研究結果を発表したのですが、これは人の感覚を用いた官能評価と呼ばれる方法で導いたもので化学的な証明はされていませんでした。
そこで化学的に三度注ぎがおいしい理由を探ったのがキリンビール。
キリンビールの行った研究により、勢いよく泡を立てて注ぐことでビールの香り成分が立ち上がり、グラスの周りに香るようになること、また長く香りが続くことがわかりました。
これはしっかりと立てた泡の蓋の効果によって、香りが長く保たれるのではないかと考えられています。
さらに泡の立っていないビールは苦味成分イソα酸の成分比率が時間の経過によって変わらないのに対し、泡の立ったビールは時間によって液体中のイソα酸の成分比率に大きな変化が生まれることもわかっています。
注いだ直後は泡に多くあったイソα酸が、飲み進めて泡と液体の量が減っていくことで、液体中に多く含まれるようになっていくのです。
注いだ直後のまろやかで複雑な味から、時間が経つにつれてしっかりとした苦味のあるビールへと変化していくということですね!!
以上のように三度注ぎをすることによって香りが長く保たれるだけでなく、時間の経過によって味に変化のあるビールになり、飽きずに最後までおいしく飲めるビールになるんです!!