重層的でスムーズな味わいが印象的なジャパニーズクラフトジン「ROKU」。
発売されたのは2017年7月と最近ですが、発売直後から大きな反響があり、すぐに販売計画が上方修正されたという一品です。
日本における、クラフトジンブームのさきがけとも言える「ROKU」の魅力について、詳しく紹介していきます。
ジン・ROKUについて
「ROKU」は、サントリーにて開発されたクラフトジン。まずはその特徴について見ていきましょう。
◆ウィスキーの生みの親、鳥井信治郎氏の夢
鳥井信治郎氏といえば、サントリーウィスキーの生みの親とも言われるようにウィスキーに対する情熱が知られていますが、実はその他の「洋酒」に対しても大きな熱意を持っていました。
実際、1907年に「赤玉ポートワイン」を製造したのを皮切りにジンやウォッカなどの製造も行っています。洋酒の製造で培った醸造技術を使用し、完成したのが「ROKU」なのです。
◆日本の植物を含んだ14種類のボタニカル
ROKUが使用しているボタニカルは全部で14種類。
14種類の中でも、特に特徴的なのは日本由来の6種類の植物でしょう。この6種類は桜の花と葉、煎茶と玉露、山椒、柚子。それぞれ日本の四季に育まれた植物が選ばれています。
これらにシナモンやレモンの皮といった洋風の植物が8種類入ることで、全体的にスムースな和の風味となりつつも、ジンとしての味わいを残すことができるのです。
◆和紙に墨文字で「六」と書かれたラベル
またROKUのこだわる日本らしさは、味わいだけに終わりません。
ラベルには墨のようなフォントで「六」と記載。またラベルには和紙を使用しており、より和を感じるデザインになっています。
さらにボトルの瓶には上述した6種類の日本の植物が直接彫られているなど、どこまでもこだわりのあるボトリングであることがわかります。
ROKUを作る大阪工場 リキュール工房
ROKUを作り上げたのは、サントリーの大阪工場にあるリキュール工房。いったいどのような施設で、日本を代表するクラフトジンが作られているのでしょうか。
◆世界最大のリキュール工房
このリキュール工房はタイプの異なる4種類の蒸留釜の他、濾過器や仕込みをするタンクなど様々な設備を誇っています。合計で50種類以上の製品の生産が可能であり、質的にも量的にも世界でトップクラスのリキュール製造所と言えます。
◆ボタニカルによって使い分けする釜と職人による繊細なブレンド
リキュール工房には4種類の異なる蒸溜器があり、素材の個性に合わせて丁寧に作り分けを行っています。
例えば、柚子のような深みのある味わいを抽出したい時は、銅釜による常圧蒸溜を、桜のような繊細な香りを出したい時は、ステンレス釜による減圧蒸溜を行うなどボタニカルに合わせた醸造がされているのです。
そしてそのの原酒を職人達が繊細な感性でブレンドすることにより、ROKUの味わいが生み出されるのです。