みなさんは「上面発酵」や「下面発酵」という単語をご存知ですか??
エールビールやラガービールを語るときに必ずと言っていいほど出てくる、ビール界の頻出単語ですよね!!
今回はビール知識の基礎中の基礎である2つの発酵の違い、特に「下面発酵」について詳しく解説していきます。
下面発酵ってなんだろう
下面発酵とは、下面発酵酵母を使い、低い温度でゆっくりと時間をかけて発酵させる方法です。
発酵が終わった時、酵母が醸造タンクの底に沈む特徴からこの名が付けられたそう。
15世紀に生まれ、19世紀世紀以降に世界中に広まったため、上面発酵のビールと比べると歴史は浅いですが、今は上面発酵よりもメジャーなものになりました。
その理由は「製造管理のしやすさ」。
下面発酵は低温で発酵するため、雑菌が繁殖しにくく管理しやすいのが特徴。大量に一定の品質のビールを生産することに向いていたので、安くて品質の良いビールを安く飲みたいという消費者のニーズに合っていたんです。
このような下面発酵で生産されるビールは“ラガービール”と呼ばれています。
品質管理のしやすさから現在でも、大手ビールメーカーのビールはほとんどがラガービール。
中でもラガービールに属する「ピルスナー」というスタイルが世界で最も浸透しています。
下面発酵の他にもあるビールの発酵方法
上面発酵
一方、上面発酵は上面発酵酵母を使用し、高めの温度で発酵させる方法。
発酵中に酵母が上に上がり、酵母の層を作ることからこの名が付けられたそう。
冷凍技術がまだ生まれていなかった紀元前から用いられている方法のため、ラガービールのような低音ではなく、常温で発酵が活発になる酵母を使用しています。
フルーティーでコクのある味わいが特徴的で、現在でもイギリスなどで多く生産されています。
このような上面発酵で造られたビールは“エールビール”と呼ばれています。
自然発酵
自然発酵は野生の酵母や複数のバクテリアを使い、発酵させる方法です。
現在のビール造りで使われる酵母は、純粋培養菌という、人工的に培養した酵母を使用していますが、自然発酵の場合は自然界に存在する天然の酵母を使用します。
まだ培養技術のない時代に作られていた、最も原始的なビールです。
自然発酵で代表的なスタイルが「ランビックビール」というもので、現在でもッベルギーの一部地域で生産されています。
あれもこれも!!下面発酵で造られたビールのスタイル
たくさんありすぎてよく分からないビールの“スタイル”。
100種類以上あるスタイルを全部覚えるのはと〜〜〜〜っても大変!!
そこで今回は、ラガービールの中で”知っておきたいビールスタイル”を4つご紹介します!
・ピルスナー
淡色ビール、中濃色ビール、濃色ビールと色によっても分類されるビールですがその中の淡色ビールの代表的なものが「ピルスナー」というスタイル。
ピルスナーはチェコのピルゼン地方で生まれました。
キリッとしたホップの苦味とフレッシュ感溢れる喉ごし、繊細な泡が特徴的。
世界で最も出回っているのがこのタイプです。
・ドルトムンダー
こちらも淡色ビール。
ドルトムンダーは、ドイツのドルトムント地方のビールで生まれたビールです。
苦味はあまり強くありませんが、日持ちがいいので輸出ビールとして多く使用されてきました。
エキスポートと呼ばれているビールはこのスタイルですよ。
・ウィンナー
ウィンナーはオーストリアのウィーン地方で生まれたビールです。
色による分類だと、中濃色ビールにあたります。
ウィンナーモルトという麦芽を使用しており、赤みのある赤銅色をしています。
モルトとホップのバランスが良く、すっきりとした味わいが特徴です。
・シュバルツ
シュバルツは、ドイツのバイエルン地方生まれた黒ビールです。
色の分類だと最も濃い、濃色ビールに分類されます。
ドイツの詩人・ゲーテにも愛されたビールとしても有名なスタイル。
黒ビールというとまったりとしていて濃厚で飲みにくい、というイメージがありますが、シュバルツはすっきりとした味わいが特徴的なラガービールスタイルの黒ビール。
香ばしさを感じつつもすっきりとした味わいが特徴的です。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は読んでみてくださいね♪