人類最古のお酒、何であるかご存知でしょうか?ビールでもなくワインでもない、それは「蜂蜜酒ミード」です。蜂蜜を原料とした古くからあるミード。歴史がある分、それにまつわる話がいくつかあります。今回はそんな蜂蜜酒ミードについてご紹介します。
蜂蜜酒ミードとは
ハチミツとお水だけで造った醸造酒、ミード。蜂蜜を原料とする、ワインなどよりも古く1万年以上前からあったとされる人類最古のお酒です。
北欧を中心とした濃厚な蜂蜜の風味を活かしたものや、ハーブやスパイスなどと併せたよりコクのある極甘の伝統的なミードの流れの古典派。もう1つが80年代に米国を中心に「醸造ブーム」で実力者たちが本格的に販売しはじめたのがきっかけのスッキリとしたテイストが特徴のモダン派。この2つが現在のミードのトレンドとなります。
蜂蜜酒ミードのお酒の紹介
古典派とモダン派の大きく2つに分かれる蜂蜜酒ミードには、その産地や品質を活かした様々な種類のお酒があります。
インターミエルミード
カナダ(ケベック州)のお酒です。産地と品質へのこだわりが強く、自ら採取した蜂蜜を100%使用して作り出す製品は数々品評会で受賞するほど。地元では大手の有名な養蜂家が作り出す蜂蜜酒です。
ロゼ | アルコール度数12度、バラの香りが豊かな女性好み |
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ブノワ | アルコール度数14度、しっかりした甘みと爽やかな後口 |
シェシェン | アルコール度数15度、リンゴ果汁によるスッキリした甘さ |
メディエヴァル | アルコール度数16度、とろっとした濃厚な甘さ |
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ポーランドミード
ポーランド(ルブリン)のお酒です。伝統的な蜂蜜酒造りにこだわり、酸化防止剤や人工添加物を一切使用していません。天然のハーブやスパイスを活かし樽で熟成する等独自製法は世界中で認められています。
ヤドヴィガ | アルコール度数16度、フルーティーな甘さ |
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クルピオフスキ | アルコール度数16度、飲みやすい甘さと香り |
ピャストフスキ | アルコール度数13度、ハーブとスパイスの引き締まった味わい |
スタロポルスキ | アルコール度数16度、ラズベリーの酸味を活かした大人なテイスト |
クラシュトルヌィ | アルコール度数16度、蜂蜜を活かしたプレーンタイプのテイスト |
スカイリバーミード
アメリカ(ワシントン州)のお酒です。ロッキー山脈から流れ落ちるスカイリバーからの水と、地元で採れるリンゴやオレンジの蜂蜜で造られます。フルーティでスッキリなライトテイストで、女性にとても人気があります。
スウィート | アルコール度数11.5度、フルーティーな甘さ |
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ラズベリー | アルコール度数12度、ジャムのような果実味とスッキリした後口 |
ロゼ | アルコール度数11.5度、シャープなキレでスッキリスムース |
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バーソロミューミード
西オーストラリア(デンマーク地区)のお酒です。西オーストラリアの南端で、対岸の南極から運ばれてくる清涼な雨水とその風を受けて育ったユーカリから採れる蜂蜜を使って造られるクリアなミードです。
スウィート | アルコール度数10度、甘さと軽さのバランスが絶妙 |
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ミード | アルコール度数11.5度、ワインにないコクと風味 |
シトラス | アルコール度数10.5度、グレープフルーツのような爽やかさ |
ハイドラン・スパークリングミード
アメリカ合衆国(カリフォルニア)のお酒です。カリフォルニア州で採れる蜂蜜とロッキー山脈から流れ出るピュアな水を使用してシャンパーニュ(二次発酵)醸造されています。舌の上ではじける泡にスッキリ感があり後口にほんのり蜂蜜のテイストを感じさせる世界的にも珍しいスパークリングミードシリーズで、炭酸がぬけた後も味の違いが楽しめる、1本で2度おいしいミードです。
カリフォルニアオレンジ | アルコール度数12.5度、オレンジピールのようなスッキリした味わい |
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カリフォルニアセージ | アルコール度数12.5度、ドライテイストだが後口甘め |
カリフォルニアユーカリ | アルコール度数12.5度、香り豊かなビターテイスト |
ネバダ・アルファルファ | アルコール度数12.5度、男っぽい苦みが魅力 |
蜂蜜酒ミードの歴史

ワインやビールより古くからあると言われている蜂蜜酒のミード。14000年前に人類が初めて巡りあった最古のお酒という説もあります。
クマなどに荒らされてひっくり返った蜂の巣に溜まっている雨水を偶然飲んだ狩人が最初で、古代ギリシャでは神々のお酒(ネクター、アンブロシア)として崇められ、ローマの英雄ジュリアス・シーザーもミードを愛飲したといわれています。
蜂蜜酒ミードの醸造方法
ワインと作り方が似ている蜂蜜酒ミードの原料は、蜂蜜と水、そして酵母菌だけです。水で2~3倍に薄めた蜂蜜は、だんだんと発酵がはじまり、夏なら1週間、冬なら3週間で出来上がります。
発酵が始まったミードは炭酸ガスがポコポコと湧き出します。濁りはベントナイトとフィルターで取り除き、後は落ち着くまで澱引きします。瓶詰めを師¥し、コルクで蓋をすれば完成です。
「ハネムーン」の語源でもある蜂蜜酒ミード

蜂蜜酒ミードは、実は「ハネムーン」の語源であるとも言われています。ハネムーンは英語だとHoneymoon、つまり密月、「蜂蜜の1か月間」という意味です。蜂蜜に強壮作用があり、また蜂の多産にあやかれるということから、古代から中世のヨーロッパで、特に森を愛するゲルマン民族において新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間蜂蜜酒を造り、新郎に飲ませて子づくりに励む風習がありました。さらにかなりの確率で第一子に男の子が生まれるという伝えも。それが理由でハネムーンという語源があると言われています。
飲んで健康?蜂蜜酒ミードの力
蜂蜜酒ミードにはいろいろな効果があると言われています。
ミードの原料である蜂蜜の力

ミードの原料、蜂蜜。蜂蜜にはビタミンやミネラル、その他多くの身体に良い成分が含まれています。また、蜂蜜の糖分は果糖・ブドウ糖で構成されており、糖分の中で一番小さい種類であるこれらは食べてすぐ身体に吸収され、エネルギーをつけるときに最適です。さらに果糖にはアルコールの分解を促進してくれる効果もあります。
また、蜂蜜には血液を造るときに必要となる鉄、ビタミンC、ビタミンB群、銅、葉酸が含まれています。鉄は血液の材料になり、ビタミン類や銅は血液を作る働きを促します。他にもカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素、ケイ酸、ケイ素、硫黄、リンなど人体に必要なミネラルのほとんどが含まれています。貧血を改善する効果もあるのです。
健康の為にも飲まれていた

有名な英国のエリザベス女王Ⅰ世は、ハーブやスパイスを漬込んで醸造した蜂蜜酒「メセグリン」を愛飲したと云われています。ハーブとアルコールで血行がよくなり、身体が温まって熟睡でき体力回復できることから「薬(メディスン)」の語源になっています。海外では直接火にかけアルコール分を飛ばして卵酒のように風邪気味の子供たちにも与えるという民間療法も残っています。
蜂蜜酒を飲んだ人のSNSでの感想
そのままで飲んでも美味しくいただけますし、他のもので割って飲んでも相性が良さそうなミード。好みの割り方を見つけてください。
贈り物としても喜ばれる蜂蜜酒ミード、いろいろなラベルのミードを探してみてください。
世界最古のお酒、蜂蜜酒ミードいかがだったでしょうか。何万年も昔の人間たちがはじめて飲んだお酒、自分たちでも味わってみたいですね。ミードの蜂蜜感をたっぷり味わってみてください。