日本酒好きでなくとも、その名は知っているであろう「獺祭(だっさい)」。フルーティで華やかな香りが特徴の獺祭は、老若男女問わず、多くの方に支持され続けています。
「獺祭」は、一般的な日本酒とどのような部分が異なり、ここまで高い評価を受けているのでしょうか?
今回は、獺祭の魅力やその特徴について詳しく紹介したいと思います。
獺祭の原料、製造方法
獺祭は、山口県岩国市の酒蔵である旭酒造が製造している日本酒。
旭酒造は「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて。」を信念に、酒造りを行なっています。品質にこだわり抜き、少しでも多くの人に獺祭を知ってほしい、そのために旭酒造は酒造りに励んでいるのです。
ちなみに獺祭の銘柄の由来は、旭酒造の地名が「獺越(おそごえ)」であったことから「獺」の文字を使用して「獺祭」になったんだそう。
まずは獺祭の原料や製造方法、システムについてご紹介していきます!
獺祭で使用してる酒米「山田錦」
獺祭は、酒米の王様と言われる「山田錦」のみ使用していることで有名です。
雑味を取り除くため、「山田錦」と5割以上も削り、純米大吟醸酒のみ造っています。これは旭酒造が獺祭を造る際、「最高に美味しい日本酒を造りたい」という思いから、獺祭では最高の酒米、最高の磨きで造ることになったからなんだそう。この「山田錦」のみ使用している点が、獺祭が美味しいと言われる理由の1つです。
ただこの「山田錦」は栽培が難しく、酒米不足が続いています。そこで2014年、獺祭は富士通とコラボし、ICT(情報通信技術)を活用して「山田錦」の安定調達プロジェクトを開始しました。
このように獺祭は、日本酒の原材料である酒米造りから真剣に行っています。
獺祭の挑戦!「二割三分物語」
日本酒はお米を磨いて造られますが、獺祭は精米歩合23%という業界最高の磨きの日本酒を製造しています(通常は50%程度)。これは獺祭の社長が当初は25%で計画してた純米大吟醸を「日本最高の精米歩合の日本酒を造ろう」と思い立ち、当時の担当者と23%の獺祭に挑戦したのがきっかけでした。
なんと残りたった2%を磨くために、合計168時間もかかったんだとか。最高、高品質に挑戦するという獺祭の姿勢が、今の獺祭を作り上げているのですね。
獺祭の「遠心分離システム」
獺祭が日本酒業界の常識を覆したと言われてるのが、「遠心分離システム」。これは一分間に約3000回転の遠心力で醪から酒を分離させる、遠心分離の技術を使って酒を搾る技術です。圧力ではなく遠心力で搾るということですね。
遠心分離システムの導入により、日本酒への過度な負担が少なく香りも残り、品質のばらつきが少なくなり、雫酒のような綺麗な日本酒になりました。
獺祭で使用してる遠心分離システムについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
獺祭の魅力
日本酒といえば「獺祭」!というくらいその知名度は高いですが、一体なぜこんなにも人気があるのでしょうか?
飲みやすい味わい
獺祭は精米具合によって味わいが若干異なりますが、基本的にどの種類も飲みやすいことが特長。香りがしっかりあり、スッキリとした飲み口が楽しめます。
その飲みやすさは日本酒初心者、白ワイン好きの方に定評があります。
一番美味しくいただける温度は、10~12℃前後。冷酒から冷やに変わっていく味や香りの違いを楽しむのもオツですよ♩
いろんな料理に合う
獺祭はいろんな料理に合わせやすい日本酒としても知られています。特に魚介料理と一緒に楽しむ白ワイン感覚でいただくと、魚と日本酒のマリアージュが楽しめます。
和食はもちろん、フランス料理やイタリア料理にも相性抜群なんですよ。特に華やかで上品な香りが特長の磨き二割三分は、だしを使った料理にオススメ。淡白な魚料理との相性も◎。
フレンチやイタリアンには、野菜や魚介類のオードブル、軽めのソースを用いた魚料理と合わせると美味しくいただけます。
獺祭の種類
ひとくちに獺祭といっても、その種類はさまざま。
現在展開されている獺祭の種類をご紹介していきます!(2019年5月現在)。
獺祭 純米大吟醸50
オーソドックスの獺祭。山田錦を50%まで磨きて造った純米大吟醸です。獺祭のスタートラインに位置する入門酒で、獺祭で一番出荷量が多い人気商品となっています。
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
23%という極限まで山田錦を磨いた獺祭で、最高品質の純米大吟醸です。華やかな香り、蜂蜜のような甘みが特徴。
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分
こちらは39%まで山田錦を磨いた獺祭。普通の日本酒のなかでも、ここまで磨いた日本酒は珍しく、すっきりした口当たり、華やかな香り、蜂蜜のような甘みが特徴です。
獺祭 磨き二割三分 遠心分離
こちらは遠心分離の技術を使い、さらに23%という極限まで山田錦を磨いて造られたもの。日本酒が持つ本来の香り、ふくらみが崩れることなく表現されている、まさに芸術品です。
獺祭 磨き三割九分 遠心分離
遠心分離の技術を使い、39%まで山田錦を磨いて造られています。無加圧状態で酒を分離するという、遠心分離の技術の凄さを堪能するならおすすめしたい獺祭です。
「獺祭」磨き その先へ
史上最高品質の日本酒、「獺祭 磨き その先へ」。この獺祭は、「獺祭磨き二割三分」を超えるものとして造られたもの。精米歩合は非公開ですが、10年以上の構想期間と開発期間を要して造られた、旭酒造の最高の獺祭なのです。
「獺祭」発泡スパークリング50
獺祭のスパークリング日本酒。山田錦を50%磨いています。瓶内二次発酵による柔らかい発泡性は、癖になる口当たり。山田錦の米の甘み、味のキレが堪能できる獺祭です。
獺祭 磨き三割九分 スパークリング
「獺祭 発泡スパークリング50」を超える繊密さ、繊細さ。山田錦を39%磨いています。
以上、獺祭の種類を紹介しました。遠心分離、磨き、スパークリングと、気分に合わせて獺祭を楽しむことができますね。一度で良いから「獺祭」磨き その先へも飲んでみたいものです。
獺祭のその他の商品
獺祭は、日本酒に付随する商品もいくつか販売しています(2019年5月現在)。
獺祭の魅力をより楽しみたいなら、ぜひチェックしてみてくださいね。
獺祭 手造り酒粕 石鹸
獺祭を造る際の遠心分離による酒粕を使用した、手作りの無添加石鹸です。
ネットの口コミによると、「これを使ったらニキビができにくくなった!」という声が多くありました。
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獺祭 酒ケーキ
上記でも紹介した「純米大吟醸50」をたっぷり染み込ませたケーキ。ほのかに感じる日本酒の苦味と甘さが楽しめます。
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獺祭 フルートグラス
獺祭のスパークリング専用グラスです。「獺祭」と書かれたロゴ入りで、より獺祭の気分に浸れそうですね♩
獺祭が有名になった理由
獺祭はいまや知名度に関しては日本トップクラスになったと言っても過言ではありません。獺祭がここまで有名になったと言われてる、少し変わった理由も紹介します。
安部総理が各国元首のプレゼントに獺祭を使用
総理大臣から各国のトップへのプレゼントに獺祭が渡されています。ロシアのプーチン大統領の首脳会議や、オバマ大統領の来日を記念した時に獺祭が贈られました。
「新世紀ヱヴァンゲリヲン」で獺祭が登場
「新劇場版ヱヴァンゲリヲン」シリーズの中でも、獺祭が登場します。葛城ミサトの愛飲する銘柄の一つとして獺祭が登場するのです。
上映後に「あの銘柄が飲みたい!」と話題になったほどなんだとか。
ユニクロの新店舗オープンで獺祭を使用
カジュアル衣料大手のユニクロでは、新店舗の開店式の際に獺祭で鏡割りを行います。2012年にオープンした銀座店では、ユニクロのロゴ付の枡と獺祭で乾杯し、大きな盛り上がりとなりました。
これら3つと獺祭に共通してることは「山口県」ということ。安倍総理、新劇場版ヱヴァンゲリヲンの庵野秀明総監督、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。この三人は皆、獺祭と同じ山口県出身者なのです。地酒である獺祭に対する思いは、人一倍なのかもしれません。
まとめ
獺祭の魅力は、日本酒初心者でも飲みやすい爽やかな味わい、そしてこだわり抜いてつくられた原料と製法にありました。
そして、日本酒以外でもさまざまな商品を展開し、今や日本だけでなく世界からも注目されている日本酒です。
日本酒にチャレンジしてみたい!外国人の友だちに日本酒のお酒をプレゼントしたい!という方は、獺祭を選んでみてはいかがでしょうか?