本日は、山口県の日本酒「東洋美人」をご紹介!
山口は、あの「獺祭」が産まれた土地です。そのイメージが強い方も多いと思いますが、他にもたくさん素晴らしい銘柄があります。
その一つが「東洋美人」。様々な大会での受賞歴を誇り、ロシアのプーチン大統領が飲んだことでも知られる日本酒です。
華々しい一面もさることながら、実は過去に災害に見舞われ、あわや廃業?生産終了?という事態にまで追い込まれたこともある波乱の日本酒。
本日は、そんな「東洋美人」の魅力に迫りますよ!
「東洋美人」とは?
「東洋美人」を醸す蔵「澄川酒造場」の、初代蔵元が亡くなった奥様を想って名付けた日本酒、、、それが「東洋美人」だと言われています。
山口では、「獺祭」と並び人気の銘柄で、名前の通り、お淑やかで品のある味わいは女性からも好評を得ています。
その実力は折り紙つきで、かつて安倍首相とプーチン大統領の、夕食会を兼ねた会談で振舞われる日本酒に選ばれた程。
しかもその際、プーチン大統領は「東洋美人」を気に入ったようで、「何という酒か」と銘柄を尋ねたというエピソードがあります。
他にも、JAL国際線ビジネスクラスに搭載された経歴や、2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会公認の日本酒にも選定されました。
さて次は、そんな「東洋美人」を醸す「澄川酒造場」をご紹介しますよ!
「澄川酒造場」とは?
創業1921年(大正10年)山口県萩市に「澄川酒造場」は構えています。
銘柄は「東洋美人」一種に絞り、醸されるお酒の大半が特定名称酒という、造りにこだわる蔵元です。
現在、杜氏として東洋美人を醸しているのは、"天才醸造家"とまで謳われている"澄川 宜史氏"。
東京農業大学醸造学科で酒造りを学び、在学中には高級日本酒として知られる「十四代」を醸す高木酒造で日本酒の基礎を学んだのだそう。
この経験が先ほどご紹介した酒造りへのこだわりに繋がっているのでしょう。
「東洋美人は"稲をくぐり抜けた水"でありたいと常々思っています。」と語られるように、彼が造る酒は透明感に満ちた酒質を目指されており、かつ、正に稲をくぐり抜けて来たかのような確かな米の旨味は、逸品の一言です。
前途洋々な「東洋美人」ですが、過去には災害に見舞われ、致命的なダメージを受けたことがあります。
それは、2013年7月末、萩市の東部地域を襲った集中豪雨。
これにより、酒蔵の目の前を流れる田万川が氾濫、酒蔵にまで泥水が流れ込み、機械が使えなくなる他、瓶貯蔵していた一万本以上の日本酒が流されるという甚大な被害を受けます。
廃業も、考慮せざるを得ないほどの壊滅的な状態に陥りましたが、被災を聞きつけた全国の蔵元関係者、酒販店、災害ボランティアやファンが復旧作業に駆けつけ蔵をサポート。
結果、例年より2ヶ月遅れながら、2013年末には仕込みを再開しました。
災害後、初めて醸されたお酒が「東洋美人 原点」シリーズ。
このシリーズを始め、東洋美人には多くのシリーズがあります。
「東洋美人」のおいしさへのこだわり
日本を代表する酒。
「東洋美人」はそう呼んでも大袈裟ではないでしょう。
東洋美人のお酒の数々をご紹介する前に、「東洋美人」のおいしさのポイントを見ていきましょう。
●王道の味を貫く
学生時代、「十四代」を醸す高木酒造で日本酒を学んだ澄川氏。
その際、高木氏に“われわれは王道を行こう”と声をかけられたんだそう。
確かな米の旨味と爽やかな酸味のある、綺麗な味わいは、奇をてらわない王道の日本酒そのものです。
この素直な味を体現するために、今も全く妥協することなく丁寧な日本酒造りを続けているのでしょう。
●使うのは「山田錦」
「東洋美人」は酒米に兵庫県加東市・東条産の山田錦を使用しています。
兵庫県加東市といえば、山田錦の生まれ故郷。
米作りは天候や風土に左右されるため、農家さんの経験や技術はもちろん、立地条件も重要な項目。
東条地域は、この立地条件にも恵まれているほか、熟練した農家の経験に基づいた栽培を行っているので、品質の良い酒米なんだそう。
他の米では実現できない自然な甘さやふくよかな香りは、山田錦の中でも最高峰のものを選び抜いているからこそ生まれるものなのです。