夏の間はゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいたビールですが、秋になってくると味わい豊かなビールをゆっくりと飲みたくなるのは筆者だけではないはず。
ビールは四季折々の味わいが楽しめるのも魅力の一つですよね♩
ビールといえば、ここ数年で流行している「クラフトビール」の人気が高いですが、以前は「地ビール」なんて呼ばれ方もしていました。
それではここでクエッション!!
「地ビールとクラフトビールの違いは何でしょうか?」
今回はこの問題についてご紹介していきます。
小規模醸造所はこうして生まれた!!
まずは、地ビールとクラフトビールが誕生するまでの流れをみていきましょう。
小規模な醸造所(マイクロブルワリー)が生まれたきっかけは1994年、細川内閣時代の「規制緩和」政策が実施されたためです。
規制緩和政策により、ビールの製造免許を得るために必要だった年間約2000キロリットルが60キロリットルにまで引き下げられたのです。
これにより大きな施設がなくてもビールの製造ができるようになり、マイクロブルワリーが数多く誕生することとなりました。
店内に醸造施設があり、できたてビールが楽しめる飲食店「ブルーパブ」が生まれたのも規制緩和により年間最低製造数量が引き下げられたためです。
地ビールの誕生
地ビールが誕生したのは細川内閣によって規制緩和が行われた後のこと。
町おこしのきっかけとしてマイクロブルワリーを造り、それまで免許が取得できなかった人たちが、地元の名前を使ってビールを売り出しました。
この時作られたビールが「地ビール」。
この一連の出来事は「地ビール解禁」と言われていますね。
ちなみに日本で最初の地ビールは、最初に免許を申請した「北海道のオホーツクビール」、国内で第1号の地ビール会社として開業した「新潟県のエチゴビール」です。
2000年前半頃まで大ブームを巻き起こした地ビールですが、だんだんと勢いを失っていきます。
原因はブームのあまりビールができすぎたことと、中には高いのに品質が悪い地ビールが出回るようになり全体の印象が悪くなってしまったからとされています。
地ビールとは一線を画す!
クラフトビールの誕生
地ビール戦国時代が終わった頃、アメリカの「クラフトビールブーム」が日本にもやってきます。
クラフトビールとは、職人(クラフトマン)たちのプライドと探究心によって生み出された個性的で品質の高いビールのこと。
志賀高原ビールの佐藤さんやコエドブルワリーの朝霧社長が「クラフトビール開始」宣言をしたことでも注目を集めましたね。
このクラフトビールの到来と盛り上がりにより、地ビールブームはさらに衰退していきました。
地ビールとクラフトビールの違い
地ビールとクラフトビールには定義としての違いはありません。
むしろ定義がない自由さがあるからこそ、醸造所や地域の個性が顕著に出しやすいことが魅力の一つと言えるでしょう。
「クラフトビール」も「地ビール」もどちらも地域の個性を大切にする、という考え方は同じなのです。
違いでいうと、地ビールは下面発酵のピルスナータイプが多いのに対し、クラフトビールはより個性を出しやすい上面発酵のエールタイプが多いことがあげられます。
どちらにせよこれ!と言った明確な違いはありませんが、地ビールとクラフトビールには違いがあるのです。