ただでさえプレミアな芋焼酎たちの中で、トップに君臨すると言っても過言ではない銘柄が3つあることをご存知ですか?
奇しくも、銘柄の頭アルファベットが同じことから、「3M」と呼ばれる芋焼酎、それが「森伊蔵」「村尾」「魔王」です。
入手難度・値段・クオリティ、、、この3つが全て揃っている3Mはファンの間で大変人気となっています。
今回は、そんな3Mの一つ「魔王」をご紹介します!
焼酎の本場、鹿児島が生んだ芋焼酎の概念を打ち砕く革命的な逸品。
芋焼酎好き〜苦手な方まで、どなたも唸るであろう至極の芋焼酎に迫ります!
「魔王」とは?
「3M」の一つにして、全国の焼酎ファンから圧倒的な支持を受ける芋焼酎。
それが「魔王」です。
その人気の高さは、1.8Lの定価3240円程度に対して、Amazonでの取引が、12,960円程度で行われているという事実から窺い知ることができます。
供給が追いつかないほどの需要。
それ故に、定価の3倍程の付加価値が「魔王」にはついているのです。
さて、それでは何故、「魔王」はこれほどまでに人気を博しているのでしょうか?
それは恐らく、革命的とも言える「魔王」の味わいにあります。
●魔王の味わい
「魔王」は、芋焼酎独特の臭みがないのです。むしろ、グラスに注ぐとフルーティーな香りが立ち、その華やかな香りだけで飲みやすさがグッ上がっています。
味わいは穏やか。口に含むと感じるほのかな甘みは、ロックスタイルで飲むとより一層引き立ち、アルコールの嫌な抵抗を感じさせず喉を通り過ぎていきます。
フィニッシュに広がるのは豊かな余韻。
一連の時間はまさに至福のひと時で、心地よく酔わせてくれる銘酒と断言できるでしょう。
芋焼酎らしからぬ味わいは、芋焼酎通〜焼酎自体が苦手だという方にまで幅広くオススメです。
自分用から、贈答用にまでピッタリと言えるでしょう。
ではこの「魔王」の革命的な味わいはどのように生み出されているのでしょうか。
魔王の味わいを生み出す2つの秘密
この味わいの秘密は、大きく分けて2つあります。
それは、麹と熟成です。
●秘密① 麹
麹とは、焼酎を造るうえで欠かせないもの。
アルコールは酵母が糖を分解して生成されますが、麹は芋や米などに含まれるデンプンを糖質に分解する役割を果たしています。
麹がなければ原料から糖分を作ることはできないので、アルコールを生み出すことはできないのです。
とても重要な麹ですが、焼酎の場合、一般的には「黒麹」か「白麹」という種類が使用されてきました。
そんな中、「魔王」は、麹に「黄麹」を使っています。
黄麹はもともと日本酒を醸すための麹。
黒麹や白麹に比べて、黄麹は雑菌への耐性が弱いため、温暖な九州地方で多く生産される焼酎には向かないとされていたのです。
焼酎界の常識を破り、黄麹で醸した魔王。
これにより、焼酎では味わえなかった、日本酒でいう吟醸香のような、フルーティーな香りが誕生しました。
●秘密② 熟成
さらに、このフルーティーな「魔王」を熟成させます。
熟成することで、生まれたてのお酒独特の荒々しさ、トゲトゲしさが削れ、円やかで落ち着いた味わいになっていきます。
また、同時に香りも穏やかにかつしっかりと乗っていき、その2つが相成って熟成酒独特の味わいになっていくのです。
このように「魔王」は、2つの秘密によって、熟成されたフルーティーな香りと、穏やかな旨味が生まれ、芋焼酎とは思えないような飲みやすい逸品へと仕上がっています。
●名前の由来
ちなみに、樽で熟成された洋酒は、熟成の作用により原酒の量が少しずつ減っていくのですが、そのお酒は昔から「天使の分けまえ」と呼ばれ、貴重で縁起の良いお酒として扱われてきました。
そのようなエピソードも踏まえ、「魔王」には、天使を誘惑し、魔界へ最高のお酒を調達する悪魔たちによってもたらされた特別のお酒、という意味が込められています。
魔王を醸す「白玉醸造」について
魔王を醸しているのは、鹿児島県錦江町に蔵を構えるのが「白玉醸造」です。
創業1912年、100年以上続く老舗の酒蔵。
「魔王」以外にも、「白玉の露」「天誅」「元老院」という主銘柄があります。
魔王の名が全国に広まったのは2003年頃〜2006年頃に起きた、第三次焼酎ブームがきっかけでした。
魔王の人気によって、蔵元である白玉酒造も多くの方に知られていくようになったのです。
ちなみに焼酎ブーム沈静化の後も、「魔王」の人気は衰えず、未だにプレミア焼酎として定価以上の価格で取引されることもしばしば。
「魔王」の斬新な味わい、その攻めたネーミングは発売当時、消費者のみならず同業者からも注目されていたようです。
「魔王」はまさに焼酎界の革命児だったのです。