ワインの味を引き出すため、ぶどうの品種に合わせて製作されているという「リーデルグラス」。
せっかくリーデルグラスでワインを飲むなら、グラスの特徴は知っておきたいところです。
この記事では、リーデルグラスの歴史や特徴、ワインの種類に合わせたオススメのグラスのタイプを紹介します。
リーデルグラスの歴史は?
リーデル社は、1756年に創業したオーストリアの老舗ワイングラスメーカー。
長くガラス製造の分野で第一線を走っていましたが、9代目当主のクラウス・リーデルが、1961年に発行されたカタログの中で、ワインの味に着目したグラス作りをしていくという方針を打ち出しました。この方針は、機能性よりも美しさが重視されたワイングラスが主流であった当時としては、画期的なものだったといいます。
1973年、“グラスの形状がワインの味に影響を与える”という研究結果をもとに「ソムリエ・シリーズ」が発表されました。このシリーズの発売は、ワイングラスの業界に新たな視点をもたらしました。
その後、10代目のゲオルグ・リーデルがクラウスの考え方を受け継いで発展させ、ぶどうの品種別のワイングラスを開発してきたのです。
現在では、17シリーズ、140種類以上のグラスが発売されており、世界中のワインの生産者や愛好者など、お酒に関わる人々から大きな信頼を寄せられています。
リーデルグラスの2つの特徴
数多くのシリーズがあるリーデルグラスですが、とくに特徴的な2つのポイントを紹介します。
作り方
リーデルグラスには、ハンドメイドとマシンメイドの2種類の製造方法があります。
「ソムリエ」シリーズや「ファット・ア・マーノ」シリーズなどの最高級ラインは、リーデル本社の隣に建てられたクフシュタイン工場にてハンドメイドで作られています。ハンドメイドのグラスの台座には、筆記体でリーデルのロゴが刻まれているのが特徴です。
一方、「ヴィノム」シリーズなどのスタンダードラインや、「オバチュア」シリーズ、「リーデル・オー」シリーズなどのカジュアルラインは、リーデルの高い技術を持つドイツ工場で製造されているマシンメイドです。ブロック体のロゴが台座に刻まれています。
ステム
ステムとは、ワイングラスの脚の部分を指す言葉。ステムの太さや長さは、ボウルの形とバランスによって決定されるため、シリーズによって違いが見られます。
リーデルグラスには、いわゆるワイングラスと言ったときに思い浮かべるようなタイプと、ステムのないワインタンブラーと呼ばれるタイプの2種類があります。
ワインタンブラーは、よりカジュアルにワインを楽しめるような設計になっています。
赤ワインを味わう時にオススメのグラス
赤ワインに合うグラスのタイプは大きく分けて2つあります。
カベルネタイプ
しっかりした味の肉料理やビーフシチューなどに合わせたい、渋みがしっかりしたフルボディの赤ワインには、ゆるいすぼまりで大ぶりのボウルを持つ、カベルネタイプのワイングラスがオススメです。
ワインが舌で横に広がり、ボディの厚みを感じつつも強い渋みは和らげてくれます。
価格帯は、7,000円〜15,000円程度です。
ピノ・ノワールタイプ
さっぱりとした味付けの肉料理に合う、酸味が強めで香りが複雑な赤ワインには、口のすぼまった大ぶりのボウルを持つ、ピノ・ノワールタイプのワイングラスがオススメです。
ワインが舌先に集まるため酸味と果実味のバランスがとれます。
価格帯は、8,000円〜15,000円程度です。
白ワインを味わう時にオススメのグラス
白ワインを美味しく飲むことができるグラスのタイプは、大きく分けて2つあります。
リースリングタイプ
白身魚をあっさりと仕上げた料理に合う、辛口でさっぱりとした白ワインには、すぼまりをしっかりと持った縦長のボウルを持つ、リースリングタイプがオススメです。
舌先に集まるワインが舌の中央をまっすぐに通り抜けることで、酸味と果実味のバランスが整えられます。
価格帯は、12,000円〜15,000円程度です。
シャルドネタイプ
魚介類をバターなと調理して濃い味わいに仕上げた料理と合う、こってりとした果実味とまろやかな酸味を持つ白ワインには、すぼまりがゆるく、ふくらんだボウルを持つ、シャルドネタイプがオススメです。
ワインが舌の上で大きく広がることで、果実味と酸味のバランスをとることができます。
価格帯は、8,000円〜15,000円程度です。
まとめ
ワイン愛好者にとっては、外せない存在のリーデルグラス。ぶどうの種類によって作り分けるほどのこだわりがつまったグラスで飲むワインは、格別なのではないでしょうか。
多くのシリーズがあるため、ワインとリーデルグラスの組み合わせを楽しんで、自分の好みを深めてみてくださいね。